肝臓について

B型慢性肝炎の特徴

わが国のB型肝炎ウイルス(HBV)の持続感染患者(HBVキャリア)は130~150万人と推計されています。つまり人口の約1%、およそ100人に1人がHBVキャリアであると推定され、とても身近な疾患です。
HBVキャリアのうち慢性肝炎、肝硬変を発症している10~15%の患者では年に0.6~3.7%で肝細胞癌を発症すると報告されています。
また、自覚症状の乏しいか全くない無症候性キャリアからも年に0.2%の割合で肝細胞癌を発症すると報告されています。
毎年およそ5000~6000人が、B型肝炎が原因の肝細胞癌で亡くなられています。

 

 

B型慢性肝炎の治療

HBV持続感染者からHBVが消失し、治癒することは大変まれです。このためB型慢性肝炎の治療の目的(目標)は発癌の阻止、生存期間の延長、日常生活の質を高めることです。
治療方法には経口の核酸アナログ剤、注射によるインターフェロン(IFN)治療、免疫療法、肝庇護薬による治療などが行われます。
核酸アナログ剤やIFN治療は高額な治療になるため、医療費助成が受けられます。
医療費助成の申請を行うことにより自己負担が軽減されます。
また、治療に関してご不明な点がございましたら、当院へご相談ください。

 

C型慢性肝炎

C型慢性肝炎の方は治療せずに放置しておくと、肝臓の線維化が進展し、肝細胞癌のリスクが増大します。
また、65歳以上では65歳未満と比較して累積発がん率は有意に高くなります。

 

C型慢性肝炎の治療

C型慢性肝炎治療の第一目標は「抗ウイルス療法」によってウイルスを排除し、発がんを抑制することです。ウイルス排除を目指せない患者さんは、肝臓の炎症を抑える「肝庇護療法」があります。 抗ウイルス療法には免疫を賦活化するIFN(注射)と抗ウイルス活性をもつリバビリン(経口)、直接作用型 抗ウイルス剤(DAA)(インターフェロンフリー治療)があります。
平成27年7月には第2世代のDAAが認可されました。
今後C型肝炎治療の第一選択はDAAが中心となり、IFN治療で経験した副作用からは解放されます。
また既にダクルインザ、スンベプラ治療に失敗した方も来年末には新薬が出るようです。
インターフェロンンフリー治療{DAA(ダグラタスビル+アスナプレビル)}治療やIFN治療は高額な治療になるため、医療費助成が受けられます。医療費助成の申請を行うことにより自己負担が軽減されます。

また、治療に関してご不明な点がございましたら、当院へご相談ください。